ゆるやかに航路を進むためのライフハック大全
先日、お呼ばれして堀正岳さんのライフハック大全の出版記念会に参加してきた。
会では、久々の人たちと会えたのが嬉しかったのでわーわー話していた。
新しいガジェットやサービスやアイテムを教わって、そういうものから離れていたのでどれも新鮮で面白かった。
何より私は、楽しそうに何か続けてるひとの話を聞くのが好きだなと思いだしたりもした。
来ている人を見渡すと、堀さんが最後に綴ったような「しつこく」色々なことを続けている人たちばかりだ。
ブログを続けているひと、ネットウォッチし続けるひと、書くことを続けているひと、写真を撮り続けているひとなど長く何をやっている人ばかりだった。
古参、とか昔から、とか言ってしまったらきりがない。
が、何かしら続けていないひとは残っていかない世界でもあるなぁとも思った。
ライフハック大全は、会でも話があったが想定読者はライフハックってなんぞ?という初心者向けなのだ。
もちろん、実践してる人にも目新しかったり面白い提案は250のアイデアのなかでいくつかあると思う。
スマホを始めとしたガジェットも色々出尽くして、アイデアも飽和状態に見えるようなここからの10年までの区切りの本だなと。
本の印税は、心臓疾患の女の子の寄付に使われるそうでそういうところも含めて招いていただいて有難い。
私は、特殊な職場で難しくないけど特殊なことを始めたのでPHSしか使えないところでは使えるアイデアは限定的だ。
だが、SECTION0から08までには仕事をしたり家庭の管理をしていく上で役立つ事は何個もあった。
023の余暇の時間をあらかじめカレンダーに入れるは、前紹介したれすかん(レスト管理)では大事なことだ。
堀さんの会に夜参加出来たのも、この予定はブロックしたい!と強く思っていたから効率よく家事育児が出来たからだ。
083の自分の脱線パターンを知る、は私の特性上色々な刺激に弱く脱線するので自分で調整したりコンディションを良くしたりする事で回避出来そうだ。
196の無印良品のEVAケースは、堀さんのブログで知ったので確定申告の時の医療費の領収書管理に役立ってる。
身体、精神のバランスが大事な私には、086の気の進まない仕事は選択に置き換えるとか172の嫌な人の言動はハンロンの剃刀を通して見る、というアイデアは目から鱗だった。
きっと、自由度が高かったり知的生産性が求められる職種のひとは響くところが違うしもっと堀さんのおすすめのツールを使っていくのだろう。
それくらい、ライフハック大全にある250の小さな習慣は幅が広い。
個人的には、巻末の参考文献が巷の自己啓発本とは違う一線を画してると思うし堀さんが書く最後のライフハック本だなと。
(翻訳本は載ってることもあるが、日本の本ではまだまだ少ないように思える)
ライフハックは、2017年現在は手垢がついた言葉になっている。
ただ、その言葉や考えが出た頃は少しでもラクしようとかたのしくとか堀さんの言うHappy Lifehacking!というニュアンスの意味があったように思う。
「実現したい目標や向かいたい未来があるなら、その方向性に向かってゆるやかに航路を作ってくれるような"小さな習慣"を探してください。それこそがあなたの人生を変えるライフハックなのです。」
と、250個目で堀さんは綴ってる。
何かに向かって、進んだり変わっていくには小さな習慣をしつこいくらい続けて実験的に試行錯誤してまた続けての繰り返しだ。
載っている小さな習慣は、どれも堀さんが実践してきて残ったものだったり煽るものはなにもない。
会の最後、堀さんに挨拶したときはにかんで「私にはしつこさしかないから…」と謙遜していた。
けれども、劇的でもスピーディーでもなく何かを変えるとかこちらに向かうと決めて続けていくのは並大抵のことではないなぁと感じた。
特に、自分自身は焦ったり即効性を求めるとことごとく失敗してる。
かかりつけ医にも、急ぐは生活習慣病と言われたくらいだ。
向かいたい未来へ進んでいくために、ゆるやかに航路をいっていいんだ、と背中を押してもらった心持ちだ。