本棚は語る

「モノが少ないね」
「赤ちゃんがいる家なのに綺麗ね」
「貴女って合理的よね」
 
これは、我が家に来る人たち(義母やママ友など)が言う感想だ。
 
1LDKで3人暮らしで、子供が産まれて少ししかたっていないのにそこそこモノは多い。
やれ、おむつだおしりふきだ、こどもの洋服だ。
暑さに負けて、抱っこ紐なんて2つも買ってしまった。
離乳食を少しでも作りやすくと、便利グッズをついつい増やしてしまう。
収納が多い家なのと片付けのプロに少しお願いして、少なく見せているだけだ。 

それでも、いままで住んだ家の中で少しすっきりしている今の家がいちばん気に入っている。
出かける前、ルンバくん(子供は走行している姿をみて泣き叫ぶ)を走行させるため床にモノをどかせてフラットにするだけで、ひとりでうっとりしている。

片付くだけで、こんなにこころが平和とは。
 
私の中で、いま「片付け」のことがかなり大切らしい。
 
最近買った無印良品のパルブボードを本棚代わりにしているのだが、本のジャンル別に分けてみると「片付け」や「家事」の本が増えていた。
少し前までは、「ビジネス」「料理」が大半を占めていた。
 
本棚を眺めていていると、私の本棚はよく流動するので余計に感じる。
「いま自分がなにが気になっているのか」「自分の中のコンプレックスはなにか」をまざまざと突きつけられる。
 
勿論、娯楽として小さい頃から色々読んだので小説やら漫画やら絵本なんかもあるけれども。
本を買い集め読了して少したって、自分の向き合いたいところや足りないと思ってる事象に本棚によって気付かされる。
 
そして、本に向き合い、結局自分のなかを掘り下げていき掴んだものが糧になっていく。
 
そうなると、よく、「人間は食べたもので出来ている」と言って食べるものの大切さを聞くけれど本だって言える気がしてきた。
 
わたしたちは、読んだ本で出来ている。
 
レシピ本の数々、もう読まないけれど手放していったビジネス書、困ったとき読むよしもとばななの小説。わくわくする、ミステリたち。
励ましてくれる育児書に、趣味の健康本。
江國香織の綺麗な詩集に、最近つい買う片付け本に、よく読み聞かせる少し破けた息子の絵本。
  
わたしはこんな本で育ってる、と本棚が教えてくれる。