エッセイ

続々:珈琲とのみものの新しい関係

年始から珈琲に夢中だった。 飲む、というより淹れるのが好きなのに気付いたのは4月頃。 親子でお世話になっていたところを、保育園入園とともに卒業することになった。 そこで、喜ばれるし喜んでくれたり褒めてくれるので嬉しくて毎日のように淹れてた。 け…

ここから歩き始める。

あんなに、外に出かけていたのに。 あんなに、内側にこもっていたのに。 新婚の頃は、寂しくて心細くて、でも知り合いはあまりいなくて。 暗い、寒いアパートの電気カーペットの上でぼんやりしていた。 どうしようもなくて、ごはんに海苔を巻いて沢山食べて…

憂さ晴らしと気晴らしと休息と

どうしても観たい映画があって、産後数ヶ月後に旦那さんに息子を託してでかけた。 久々の外出に久々の映画に。 頭の中は、映画のことでいっぱい。 ガチガチに授乳しなければいけない胸が張っていた。 それでも、とても晴れ晴れした気持ちになった。 が、久々…

「ちゃんとしてるひと」より愉しいひとがいい

ずっと、長い間。 「ちゃんと」しなくてはいけないと思っていた。いまのダメな自分から、変わらなくてはいけないと思っていた。 ところが、息子が生まれてから余計に不完全なところばかり目立つ。怒るし泣くし、大声で叱るし、家事は中途半端でちっとも「ち…

ほどほどの不自由がココロの自由

「学校」が苦手だった。集団で動いたり踊ったり発表したり。顔が真っ赤になる。 ひとに合わせるのが苦手だ。なので、どこでも「空気」が読めない。ちぐはぐな行動をして叱られていた。 何もかも決まっていて、「学校」は不自由で嫌いだった。小学校の可愛く…

流れる本棚。

ひとつ入れたら、ひとつ減らす。 これは、私のお片づけの信条だ。信条に基づいて、キッチン用品から服、色々なものを整理している。 ただ難しいのが本棚。 とっておきたいもの、手元においてただ眺めたいもの、どうしても紙の本のカタチとして読みたいもの。…

アンテナを張り過ぎると、どうなるか

最近、からだが情報を絞って入れてるなぁととみに感じる。 本の類は、雑誌や読みやすいものをパラパラ眺めるだけだ。ネットも、息子が目を離せないのもあり観る時間が減ってる。テレビにいたっては、朝ドラとEテレくらいしかみていない。 本は、早く読むほう…

自分だけの「定番」を決めておく

新婚のころ。何だか浮かれていたし、家庭というひとつの組織を運営する者にしては新参者なので色々な事が分からなかった。 区役所の手続き。お葬式のおかねのこと。結婚式のマナー。どうやって献立を決めるか。 とりわけ分からず失敗が多かったのが、買い物…

エプロンでスイッチをいれる

むかしむかし。小さなラウンジの店長をしていた。 良いカップで珈琲を出して。顧客のひとが何人もいて。より丁寧に、と肩肘張って接客していたあの頃。 制服があって、サロンというながーいギャルソンエプロンのようなものを身につけていた。腰のラインで紐…

日々を重ねていく。

子供が寝静まる夜。愚図るたび冷や汗をかくスーパーの店内やバスの車内。作ったご飯が床に落ちる様。 ネットで見る、キラキラした母子。SNSで集っている、仲間たち。 それは、ヒタヒタと迫ってくる。 楽しい!だけではいられない。苛立ちに孤独感に焦燥感。 …

いるだけで、極端な話、息をしているだけで幸せを振りまいているかもしれない。

息子氏(こどものことだ)のお誕生日とクリスマスは微妙に近い。少し離れて暮らす義両親の家でお誕生日会をすることになり。お誕生日には、これまた少し離れて暮らす息子氏のひいおばあちゃんまで参加した。 普段行かないような街に一緒に行き、デパートでドイ…

カフェオレ難民

世の中には、いつの間にかカフェラテが氾濫してる気がする。 コンビニのコーヒーマシン、スーパーの冷蔵庫、コーヒーチェーン、カフェなど。コーヒー飲料のコーナーやメニューをみているとカフェラテばかりだ。 海外での定義はわからないが、日本の大半のカ…

娯楽としての読書

小さい頃から、本が好きだった。 休み時間になれば、本をなるべく読んでいたかったし図書館にもよくいた。 中学生になると、家の吹き抜けの壁いっぱいの父の本を読み友達と本の貸し借りをして感想を言い合っていた。東京に出てくると、本の著者に会える!と…

スニーカーのゆるさ、ヒールの緊張感。

私には、贔屓目かもしれないが格好可愛くて良くて気立てのよい妹がいる。 最近、焦げ茶やゴールドが混じった髪色で少し刈り上げにした彼女は以前にもまして格好良くなっている。そしてボーイッシュに磨きのかかった彼女は、誕生日に伊勢丹でドクターマーチン…

イマを漕ぐ

晴れた日は、約9キロの子どもをおぶって片道20分ほど自転車を漕ぐ。 おかげで、産前の体重に戻ったし風をきって走るととても気持ちが良い。今では、漕がないと気持ち悪いくらいまでになっている。 運動後のプロテインも習慣になっている。 思えば、初めて自…

珈琲との美味しい関係。

小さい頃、珈琲の匂いすら嫌だった。気持ち悪くなって、敬遠していた。それなのに、仕事にせざるを得ない時期があった。付き合ってみると、少しずつ豆の挽きたての甘い匂いにやられる。どうしようもなく惹かれてしまう。 妊娠を機会に、誰もしりあいのいない…

モンスターを飼い馴らせ!

自分の怠惰のせいで、少し離れた駅に結婚式参列当日にクリーニング屋に駆け込み。スーツやらドレスやら袱紗を受け取りに行ってきた。これまた自分の怠惰で、前日遅くまでご祝儀袋やらなにやら用意して寝不足気味だ。 たいだ、たいだ、たいだ…… まぁ、いいか…

いまなら、泳げる心持ち。

昔から水が苦手だった。 プールはもちろん、風呂もカラスの行水よろしくさっとあがる。何年か前に、夫婦で沖縄旅行した時も海を眺めるばかりで美しい沖縄の海に入ることはなかった。 そんな私だから、かなづちだ。まず、水に浮くことが出来ない。力が入り過…

本棚は語る

「モノが少ないね」「赤ちゃんがいる家なのに綺麗ね」「貴女って合理的よね」 これは、我が家に来る人たち(義母やママ友など)が言う感想だ。 1LDKで3人暮らしで、子供が産まれて少ししかたっていないのにそこそこモノは多い。やれ、おむつだおしりふきだ、こ…

「丁寧」は、ある種の趣味

今年初めてのピェンローを作った。 ピェンローは、妹尾河童さんがdancyuで発表した白菜鍋のことだ。材料は、白菜に干ししいたけ、戻し汁、豚肉に鶏肉、春雨、ごま油のみ。 シンプルだけど、美味しく作るにはテキトウにやるのではなく色々お作法がある。入れ…